マインドフルネスの活かし方

幸せになるには、お金よりも心を変えることが大事です

第3章 『マインドフルネス』の歴史 その3『ヴィパッサナー瞑想』との関係 後編

time 2019/05/31

第3章 『マインドフルネス』の歴史 その3『ヴィパッサナー瞑想』との関係 後編

お釈迦様の最初の教え 中道、四諦、八正道

ヴィパッサナー瞑想によって、苦しみから逃れることが出来たお釈迦様は、このことを誰かに伝えようと考えました。

最初に考えたのは、お釈迦様に瞑想を教えたかっての師匠、アーラーラ・カーラーマとウッダカ・ラーマプッタでしたが二人ともこの時には死んでしまっていました。

次に、一緒に修行していた5人の比丘のもとに行き、苦しみから逃れる方法を解きました。それが中道、四諦、八正道です。

中道

一番初めにお釈迦様は、5人の比丘たちに向ってこう説いています。

比丘たちよ、世の中には二つの極端がある。出家者はそれに近づいてはならない。何が二つの極端なのか。
一つめは、欲と愛欲や貪欲をよしとすることで、これらは下劣かつ卑賤、つまらぬ人間のやることで、無意味で無益である。
二つめは、自分に苦難を味合わせることは、苦痛であり、無意味で無益である。
比丘たちよ、如来はこの二つの極端を捨て、中道を認知したのである。それこそが、観る眼を生じ、英知を得、證智をもち、定(サマーディ)、涅槃に至る道である。

引用 ウィキペディア

欲や快楽に溺れた生活はもとより、極端な苦行も苦しから脱出することはできないと説き、どちらにも偏よらない生活を勧めました。

四諦

四諦とは、苦諦・集諦 ・滅諦 ・道諦のことです。「諦」とは「明らかにする」、「真理」という意味です。

苦諦(くたい)

この世界には生・老・病・死の4つの苦しみの他に

愛別離苦(あいべつりく)  … 愛する者と別離すること
怨憎会苦(おんぞうえく)  … 怨み憎んでいる者に会うこと
求不得苦(ぐふとくく)   … 求める物が得られないこと
五蘊盛苦(ごうんじょうく) … 五蘊(人間の肉体と精神)が思うがままにならないこと

の4つの苦しみを合わせて8つの苦しみに悩まされ続けて生きなければならないことを、言います。

集諦(じったい)

「苦しみ」は欲望・執着・迷妄などが集まって、生まれると言っています。

滅諦(めったい)

「苦しみ」を滅する真理とは、欲望から離れ、欲望をなくし、欲望を捨て去り、放棄し、執着しないことと、言っています。

道諦(どうたい)

「苦しみ」をなくす道(方法)は、正見、正思、正語、正業、正命、正精進、正念、正定の八正道であると言っています。

八正道

正見(しょうけん)

正見の「見」とは目で物事を見ることではなく、人は苦しみの中を生きている(苦諦)こと、苦しみは欲望が集まって生まれる(集諦)こと、欲望を滅し去れば(滅諦)苦しみが無くなること、欲望をなくすには8つの正しい方法(道諦)をとるという見識を、持つことが必要と説いています。

正思(しょうし)

「思」とは、次の3つの考えを思惟、または思考することです。

  1. 無害 人や生き物、自然に害を与えないように生きること。
  2. 無瞋恚 瞋恚(怒り)や自分の思い通りにならない「憤り」をもとに行動してはならないこと。
  3. 無貪欲 際限のなす欲望に身を任せてはならないこと。

正語(しょうご)

妄語(嘘)を離れ、綺語(無駄話)を離れ、両舌(仲違いさせる言葉)を離れ、悪口(粗暴な言葉)から離れることです。

正業(しょうごう)

殺生を離れ、盗みを離れ、性的行為(特に社会道徳に反する性的関係)から離れることを言います。

正命(しょうみょう)

ここで言う「命」とは仕事・使命のことです。人は生きていくうえで、殺生などに基づく、道徳に反する職業や仕事はせず、正当ななりわいを持って生活を営むことを使命とすべきである、と言っています。

正精進(しょうしょうじん〉

次に述べる4つの行いについて努力することです。

  1. 過去にやった、いけない事(不善)は、これを解消すること。
  2. 将来に対しても、いけないこと(不善)はやらないこと。
  3. 今までやった良いこと(善行)は、これを伸ばすようにすること
  4. 将来に対して、良いこと(善行)を行うようにすること。

正念(しょうねん)

パーリ語でサティ(念)、日本語では「気づき」、英語では「マインドフルネス」と訳されています。

身体と心に注意を向けて、常に今現在の内外の状況に気づいた状態(マインドフルネス)でいることです。

正定(しょうじょう)

「定」とは、心を一つの対象に集中して安定させる「禅定」のことです。「マインドフルネス」の状態になる方法を説いています。

正しい集中力(サマーディ)を完成する「正定」によって「正念」が得られ、得られた「正念」よってはじめて、「正見」が得られます。得られた「正見」によって苦しみの元となる「欲」をなくすことが出来ます。

 

現在行われている『マインドフルネス』は、『ヴィパッサナー瞑想』から仏教色を抜き、仏教以外の宗教を信じている人たちにも、行えるようにしたものです。また、最新の脳科学の力を借りて、実際に苦しみを和らげる効果があることも確かめられました。これにより、世界中に広まるようになりました。

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