マインドフルネスの活かし方

幸せになるには、お金よりも心を変えることが大事です

第6章 実践編 呼吸瞑想 その2

time 2019/06/10

第6章 実践編 呼吸瞑想 その2

最新の脳科学で分かってきた「マインドフルネス」の効果

呼吸瞑想を実行すると、いろいろな雑念が湧いてくるのが分かると思います。

頭が痒い時なども、意識しないうちに勝手に手が動いて、痒い所を掻いています。

何も考えていないと思っていても、実際に脳は意識の外でいろいろ仕事をし続けているのです。

 

1990年代初めにfMRIが開発・商品化され、活動しているとき脳のどの部分が働いているか、分かるようになりました。

fMRI 《functional magnetic resonance imaging》  (機能的核磁気共鳴断層画像または装置)とは

MRIの原理を応用して、脳が機能しているときの活動部位の血流の変化などを画像化する方法。また、その装置のことです。

詳しい説明はこちらの動画を見てください ↓

科学のフロンティア (2)脳の活動をミリ単位で計測するfMRIを用いた脳科学研究

その結果、何もせずにボーッとしている時の方が、集中しているときに比べて脳が大きく働いていることが分かりました。

何か課題に取り組んで脳が疲れてきたら、脳を休めるために「何もしないでボーっとする」と答える人が多くいます。従来の脳科学では、何もしないでボーっとするときは、意味のある脳の活動は行われていないと考えられていて、あまり注目されていませんでした。しかし最近の脳機能のイメージング研究により、驚くべき事実が明らかになりました。人間が代謝などに使うエネルギーは1日約2000kcalで、そのうち脳が使うエネルギーは20%(重量は2-3%)の400kcalとされ、脳がたくさんのエネルギーを使っています。この400kcalのエネルギーのうち、本を読んだり、仕事をしたり、歯を磨いたり意識的な活動に使われるエネルギー量はなんと5%くらいしかないといわれています。また脳が使うエネルギーの20%は脳の細胞の維持、修復に使われています。その残りの75%は、何もしないでぼんやりしている時に大量のエネルギーを使っています。この時、内側前頭前野、後帯状皮質、海馬などの複数の離れた脳領域が、同期・協調して働きネットワークでつながって活動することが観測されています。ワシントン大学のマーカス・レイクル教授は、このネットワークをデフォルト・モード・ネットワーク(Default Mode Network:DMN)と命名しました。DMNは、心がさまよっているときに働くネットワークですが、脳に次々雑念が湧いてくる時に活性化するほか、これから起こりうる出来事に備えるため、さまざまな脳領域の活動を統括するのに重要な役割を果たしていると考えられています。

参考資料  NHKサイエンスZERO、”ぼんやり”に潜む謎の脳活動、2014

引用 AINET Inc

出典 ダ・ヴィンチ・ニュース

そういえば子供の時、テレビゲームやアニメに夢中になっているときは、何時間でも続けることが出来たのに、「勉強せい!!」と言われて机に向かっているときは、いろんなことが頭をよぎって疲れてしまい、長続きしないのはこのためなのですね。

 

fMRIを利用した研究で瞑想のトレーニングをすると大脳皮質の島皮質が活性化することが分かりました。

トロント大学のノーマン・ファーブ(Norman Farb)准教授は、瞑想経験がない36名を集め、8週間のMBSRに参加した20名としなかった16名のfMRIを比較するという実験を行ってみた。その結果、参加群も非参加群も、ともに内省とかかわる内側前頭前野の活動が高まったものの、参加群では、右前部島皮質(身体感覚や感情の観察にかかわる)、右背外側前頭前野(認知的なコントロールにかかわる)、右体性感覚野の活動が高まっていた。しかも、非参加群では、右前部島皮質と右腹内側前頭前野とが相関していた。つまり、身体感覚や感情を主観的に捉えていた。けれども、参加群では、右前部島皮質と右背外側前頭前野とが相関していた。これは、身体感覚と一体化した状態から、離れて客観的に観察していることを意味している。

引用 ケアエコノミー~慈悲の瞑想

 

fMRIを利用たマインドフルネスの研究では、マサチューセッツ大学医学部マインドフルネスセンター責任者のジャドソン・ブルワー博士が、マインドフルネス瞑想をしているときの脳の活動をfMRIで測定した結果、DMNを構成する部位(内側前頭前野、後帯状皮質)の活動が低下しているのを観察しています。

これにより何もしないでボーっとしているときのDMNの暴走が抑えられ、無駄な脳エネルギーの消費がなくなり、脳の休息につながります。

参考https://www.pnas.org/content/108/50/20254

 

脳のネットワーク

脳のネットワークには、先に述べたデフォルトモード・ネットワーク(DMN)の他に、集中しているとき等に働く、セントラル・エグゼクティブ・ネットワーク(CEN)、DMNCENの切り替えを行うセイリエンス・ネットワーク(SN)があります。

DMN ボーッとしている時や、ぼんやりしているときの脳のネットワーク。あれこれと物思いにふけってしまい、雑念が次々と湧いてきて、脳の疲労の原因となります。マインドワンダリングの状態。

SN    脳の司令官。状況に合わせて、DMN CEN の切り替えを行います。

CEN  集中して仕事をしているときのネットワーク。計画、意思決定、注意制御、短期機関の記憶などを行う。マインドフルネスの状態。

 

ワシントン大学のマーカス・E・ライクルの研究で、瞑想を行うとSN とDMNの結びつきが弱くなることが報告されています。

参考資料 ↓

https://www.pnas.org/content/108/50/20254

 

down

コメントする




このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください