2019/09/30
もう一度、自分自身を見直してみましょう。
先のクリスマス・キャロルの映画ではありませんが、今の自分が苦しいことに気が付かず、または気が付いていても、世の中とはこんなものだと納得したり、諦めていませんか。
世の中というものは苦しみや楽しみとは関係なく、ただ存在しているだけです。
世の中を苦しくしたり、楽しくしたりしているのは、すべて自分の心のなせる業です。
世の中を明るく楽しく過ごす秘訣は、何事に対してもポジティブ(積極的)に取り組む、態度が必要です。
「このままでいいや」という心がある限り、生活は改善されません。
書くエクササイズ
マインドフル・ライティング、マインドフル・ジャーナリング
今現在悩んだり、苦しんでいる人たちははっきりとした目標がありますが、なんとなく暮らしている人たち、別に大した不満もないし、今のままでいいやと思っている人たちに、良い方法があります。
100円ショップに行って、小さな手帳か、メモ帳を買ってきて、1日1回何でもよいですから、毎日書いてみることです。
何も書くことが、浮かばなければ、「何もない、何もない」と書けばいいのです。
具体的には、『第10章 実戦編 ボディー・スキャン瞑想』や『第15章 集中した瞑想と解放的な瞑想』をしていただいて、出てきた雑念を書けばよいのです。
誰に見せるものではないので、浮かんできた雑念をそのまま書いていきます。ただ、それだけです。
こんなもので何が役に立つの、という人は
はっきりとした変化を経験するまでに、どれだけジャーナリングをやる必要があるのだろう?。”Know Thyseif” very short list (March 2,2009)というニュースレターに2009年3月2日に現れた記事を引用しよう。
20年前、テキサス大学の心理学者、ジェームズ・ペネベイガーが出した結論によると、自分にとって一番意味のある個人的経験について、何日か連続で毎日15分書いた学生は、体調と血行が良くなり、学業成績が上がったという。だが、ミズーリ大学の新しい研究によると、数分書くだけでも十分だそうだ。
研究者たちが大学生49人に、情動的に重大だと思ったことについて2日連続で2分間書いてもらった。すると学生たちは直ちに気分がよくなり、生理的健康状態の標準測定で成績が上がった。長期にわたる内省は必要なく、「ある日、話題を切り出し、翌日それについて短時間考える」だけで、物事を客観的に捉えられるというのがこの研究の結論だ。
1日2分、2日合わせてわずか4分間実行しただけで、測定可能な違いが生み出せるのだ。私が驚いた理由がこれで分かってもらえただろう。
引用 チャディー・メン・タン著 英知出版「サーチ・インサイド・ユアセルフ」154.155頁
マインドフルネスの瞑想を行い、普段は意識の下に隠れている雑念に気づくことで、良い結果が得られるということです。
これに倣って、何でもよいですから少し書いてみて、後でそれを読み返してみてください。
繰り返すうちに「自分が苦しんでる」のではなく、「自分は今、苦しみを感じている」と思えるようになります。
そしたら、「マインドフルネス・ストレス軽減法 (北大路書房)」を著わしたJ.カバットジンによると
つぎは、70年代前半の足に激しい痛みを持った男性の話です。彼が最初にクラスにやってきたときは車椅子を使っていした。最初の日に、彼は、クラスの人たちに向かって、足を切り落としてしまいたいほど痛みがひどいと、話していました。
2回目の授業へは、車椅子ではなく、松葉杖でやって来ました。やがて彼はステッキだけで来るようになりました。
最後に彼が話してくれたところによると、決して痛みがなくなったわけではなく、ただ、痛みに対する彼の態度が大幅に変わっただけだというのです。
瞑想法を始めてから、痛みにもっと耐えられるはずだと感じ、このように感じ始められるようになると、足の問題もそれほど深刻ではなくなってきたそうです。
抜粋 ジョン・カバットジン著 「マインドフルネス・ストレス軽減法 (北大路書房)」13.14頁
マインドフルネスにより、自分が苦しんだり、悩んでいるのではなく、自分が「苦しんでいる」「悩んでいる」と思えるようになり、「苦しみ」と「悩み」が自分自身とは別のものであると、認識できるようになります。
マインドフルネスの状態になっても、「苦しみ」や「悩み」が無くなる訳ではありません。ただ自分の体が「苦しみ」や「悩み」に支配されていることに、「気づく」ことが出来るようになるだけです。自分にとってネガティブな思いがあることに「気づく」ことが出来れば、そう思わないように手を打つことが出来ます。
それが、マインドフルネスの治癒力です。そしてそれが「生き方を変えれば、世界が変わる」ということです。