2019/09/30
日常生活でマインドフルネス
マインドフルネスは静かに座って瞑想するだけではなく、毎日の生活の中でも実行できます。これがマインドフルネスの大きな特徴です。
ここからは日常の生活で出来る、マインドフルネスの練習をしましょう。
歩行瞑想(室内編)
鍵は、実況中継とラベリングとスローモーション。
呼吸瞑想をやってみてどうでしたか。「呼吸にうまく集中できなかった」「雑念が次々と出てきて、気持ちが乱れてばかりでした」という人におすすめが、歩行瞑想です。
禅の修行では経行(きんひん、きんぎょう)と言って、座禅と座禅の間に一歩一歩大切にしながら、ゆっくりと歩きます。これは、座禅に伴う足の痺れや眠気を取るリフレッシュも兼ねています。ゆっくりと歩くことで、足の感覚に集中することで、修行を途切れさせない働きもあります。
アメリカ観世音禅センターの経行
出典ウィキペディア
現在の私たちは、歩くことに注意を払っていません。スマホでメールを読んだり、音楽を聴く方に集中して、時には人とぶつかったりします。今回は普段無意識のうちに行っている「歩く」ことを意識することで、集中力を養います。
まず、畳でも木の床でも構いませんから、5.6歩で歩ける場所を確保します。
出来たら足からの感覚を感じたいので、靴下やスリッパを脱いで、素足で行ってください。
スタートする前にまっすぐに立ち、深呼吸を2~3回やって心を落ち着かせましょう。手は前か後ろで組んでください。
右足から始めます。ゆっくりと息を吸いながら(この時、胸やお腹が膨らむのを感じてください)左足に体の重心を移します。そして「上がります」「上がります」と唱えながら、右足をゆっくりとあげていきます。
馴れないと身体がグラグラしてすぐ足を着いてしまいます。その時は着いている方の足の膝を軽く曲げると、いくらかはバランスが取りやすくなります。
それから必ず目は開けてください。試しに目を閉じて片足で立ってみると、すぐバランスが崩れて、立って居られなくなるのが分かると思います。
右足が上がったらゆっくりと息を吐きながら「前」「前」と唱えて、前方に足を運びます。右足を静かに下げ、床に着いたところで「着きました」と唱えて、ゆっくりと深呼吸をします。
今度は右足に重心を移して、左足で同じように進みます。
5.6歩歩いたところで、両足をそろえて立ち、「回ります」「回ります」と唱えながら、両足を交互に動かして、体を回して、もと来た方向に戻ります。
この行為を、出来るだけゆっくりとしたスローモーションで行います。かなり大変ですが1歩を20~30秒かけて出来るようになるまで、頑張ってください。
どうです?。体のバランスをとるのが大変で、雑念の湧く暇がないでしょう。集中力をつけるのには、この方法が一番です。
次は、通勤や通学、買い物など、屋外で出来る歩行瞑想について書いてみます。
日常生活でマインドフルネスを 野外での歩行瞑想
これから日常生活の中で行う、マインドフルネスの練習に入ります。
まず、毎日の通勤、通学、買い物など、歩きながらできる、歩行瞑想の練習に入ります。
呼吸と歩数を合わせる
歩く速さは、普段通りで結構です。特に道路を歩いているときは、周りの人に合わせないと、人にぶつかってしまい迷惑をかけます。初めのうちは、公園や遊歩道などゆっくり歩けるところで、練習するとよいでしょう。街中よりも落ち着いて自分のペースで歩けると思います。
出来たら呼吸と歩数を合わせてください。私は息を吸いながら右足、左足で2歩歩き、息を吐きながら4歩歩いています。
そして右足と左足の動きに意識を向けてください。この時「右」、「左」、「右」、「左」と号令をかけるのはやめてください。これだと瞑想ではなく、ただの行進になってしまいます。
別に長く続ける必要はなく、信号などで止まったときは、中止して結構です。
2つの瞑想状態
第6章の呼吸瞑想や室内での歩行瞑想では、呼吸や足の運びだけに意識を向けて集中していました。集中できてくると、次第に呼吸や足の運びだけしか見えなくなります。この一点だけに集中した瞑想をテーラワーダ仏教(原始仏教・上座部仏教)ではサマタ瞑想といい、対象に注意を向け続けます。これをFA(フォーカスト・アテンション)と言います。
屋外での歩行瞑想のように、足の運びに集中しながら周囲の状況も分かる状態の瞑想がヴィパッサナー瞑想です。その瞬間、瞬間に起こるすべてをありのままに観察し自覚し続けていくことを、OM(オープン・モニタリング)といいます。
OM(オープン・モニタリング)の状態に入ると、多くの情報が自然に入ってきますが、ただ気づく(アウェアネス)だけで、心が乱されることはありません。
マインドフルネスは、気づきの瞑想と言われるヴィパッサナー瞑想から、宗教色を取り除いたものです。